長野県へ移住って実際どうなの?人気スポットや補助金・メリデメ・口コミを徹底解説
長野県への移住を考えているけれど、実際の生活がどうなるのか不安に感じている方は多いと思います。
自然に囲まれた環境で暮らす魅力を感じつつも、生活費や交通、気候などの現実的な部分が気になるところです。
そこで今回は、長野県の人気スポットや移住に関する補助金制度、移住のメリット・デメリットを紹介します。
長野県は自然豊かで静かな暮らしを求める方に最適で、生活費も安く、補助金制度も充実していますが、寒さや交通面での不便さもあります。
本記事では、長野県の住み心地や自治体の支援制度などを紹介しますので、移住の準備にお役立てください。
長野県の特徴
長野県は、日本の中央に位置する県で、自然豊かな環境が特徴です。
以下の4つの観点から、長野県の基本的な特徴をまとめました。
- 基本情報(人口/世帯数/アクセス)
- 気候や気温
- 交通アクセス
- 住民性
基本情報(人口/世帯数/アクセス)
長野県は中部地方に位置し、豊かな自然と美しい風景で広く知られています。現在、長野県には77の市町村があり、県庁所在地は長野市です。
2024年11月1日現在の毎月人口異動調査によると、長野県の人口は約199万人、世帯数は約85.6万世帯です。
長野県の総人口は2001年に約222万人でピークを迎えましたが、それ以降は減少傾向が続いています。総人口が200万人を下回ったのは約50年ぶりのことです。
一方で長野県は、宝島社発行の「田舎暮らしの本」による「移住したい都道府県」ランキングで19年連続1位を獲得するほど、移住先として高い人気を誇ります。
2018年度以降、長野県への転入者数は徐々に増加しており、特に関東地方からの転入者が多い傾向にあります。
気候や気温
長野県全体の傾向として、気温の日較差(1日の最高気温と最低気温の差)や年較差(年間の最高月平均気温と最低月平均気温の差)が大きいことが挙げられます。
この傾向は、長野県が内陸に位置し海の影響を受けにくいことや、放射冷却が起きやすい地理的条件によるものです。
夏は沿岸部と同じかそれ以上の暑さになる一方で、9月に入ると気温が急激に下がり、冬には厳しい寒さが訪れます。
ただし、長野県内でも北部と中部・南部では冬の気候が異なります。北部では雪の日が多いのに対し、中部や南部の平地では晴れの日が続きやすい傾向があります。
また、標高の高い地域では山岳地帯特有の気候が見られる点も長野県の特徴です。これらの地域では、平地に比べて気温・気圧・湿度が低く、日射量が多いなどの特徴があります。
交通アクセス
長野県内の移動手段は主にマイカーです。通勤や買い物などには自家用車が必須となります。
電車やバスなどの公共交通機関もありますが、本数や運行エリアに限りがあるので注意しましょう。
県外へのアクセス手段としては、高速道路、新幹線、飛行機が挙げられます。
高速道路は、中央自動車道、長野自動車道、上信越自動車道、中部横断自動車道が整備されています。県外へのアクセスに加えて、県内移動にも便利です。
また、新幹線は北陸新幹線が通っており、東京方面や金沢・福井方面へのアクセスが可能です。
空港は松本市にある、信州まつもと空港を利用できます。札幌、神戸、福岡へ向かう便が1日2便運航しています。
住民性
北信地域(長野市、飯山市など)
北信の人々は落ち着いていて堅実、忍耐強い性格が特徴です。豪雪地帯も多く、自然と共に生きる知恵と助け合いの精神が根付いています。慎重で控えめな一方、親しくなると温かく接してくれます。
中信地域(松本市、安曇野市など)
中信の住民は開放的で文化的な側面が強く、松本城を中心に歴史や芸術への関心が高いです。自立心が強く、都会的な雰囲気もありますが、地域行事にはしっかりと関わる責任感もあります。
東信地域(上田市、佐久市など)
東信の人々は進取の気性があり、開拓精神が旺盛です。特に上田市は歴史的にも真田家ゆかりの地として知られ、誇りを持っています。対外的にもフレンドリーで、新しいものを積極的に受け入れる姿勢が見られます。
南信地域(飯田市、伊那市など)
南信の住民は穏やかで親しみやすく、温暖な気候の影響もあってのんびりとした雰囲気があります。農業が盛んなため、地域コミュニティが密接で、助け合いの精神が強く、移住者にも親切に対応します。
人気スポットを地域別に紹介
長野県は、地域ごとに異なる魅力を持つ人気スポットが数多くあります。
移住を考える際には、観光や暮らしの視点から各地域の特色を知るのがおすすめです。
ここでは以下の4つの地域ごとに見どころを紹介します。
- 北信地域(長野市、野沢温泉、戸隠)
- 中信地域(松本、安曇野、白馬、上高地)
- 東信地域(佐久、小諸、軽井沢)
- 南信地域(諏訪、八ヶ岳、木曽、伊那)
ぜひ移住の参考にしてください。
北信地域(長野市、野沢温泉、戸隠)
北信地域は県庁所在地である長野市を含む、長野県の北部に位置するエリアです。
長野市周辺は新幹線や高速道路が整備されており、首都圏や北陸圏への交通アクセスが良好です。
一方で、新潟県に近い最北部は全国有数の豪雪地帯として知られています。
また、自然豊かな環境も大きな魅力で、戸隠山周辺にはキャンプ場やスキー場といったレジャースポットがあり、四季を通じて楽しめる地域です。
さらに、戸隠山には「九頭龍が棲む所」として崇められた戸隠神社があり、多くの人々が訪れる名所となっています。
加えてこのエリアには、湯田中温泉郷や野沢温泉など、豊富な温泉資源が数多く点在しているほか、童謡「ふるさと」に登場する「忘れがたきふるさと」としても知られている中野市もあります。
中信地域(松本、安曇野、白馬、上高地)
中信地域は、北アルプスから中央アルプスの西側に広がる木曽地域にかけてのエリアです。
この地域の中心には、松本城で有名な松本市があります。
松本市の市街地は活気に満ちていますが、市街地から外れると田園風景や森林が広がり、自然豊かな景観を楽しめます。
また、日本を代表する山岳景勝地である上高地を有しており、毎年多くの観光客が訪れる街でもあります。
豊かな自然と歴史が調和する松本市は、移住先としても注目を集めているエリアです。
松本市の隣に位置する安曇野市は、生活の利便性が高いことが特徴です。
雪が少なく、雄大な自然景観にも恵まれていることから、こちらも移住先として人気を集めています。
さらに、北アルプスのふもとに位置する白馬村は、1998年に長野オリンピックの会場となったことで知られる土地です。
登山やスキーといったアクティビティが盛んで、大自然の中での暮らしを存分に楽しむことができるでしょう。
東信地域(佐久、小諸、軽井沢)
東信地域は長野県の東部に位置するエリアです。
東信地域の中央には、北陸新幹線で東京から75分とアクセス良好な佐久市が位置しています。
佐久市は真夏でも熱帯夜がなく、晴天率の高い快適な気候が魅力です。
また、地域医療が充実しており、自然災害が少ないことからも、安心して暮らせる街として注目を集めています。
佐久市の北部には、かつて小諸城(現在の懐古園)の城下町として栄えた小諸市があります。
小諸市は日照時間が長く、美しい風景に恵まれているのが特徴です。
特に小諸市の風景は多くの文化人に愛され、文学作品の題材にもなりました。
また東信地域には、国内有数の避暑地・別荘地として名高い軽井沢町も含まれています。
軽井沢町は豊かな自然に囲まれた観光スポットが点在しているほか、ショッピング施設や飲食店も充実しており、観光やリゾート地としての魅力が詰まった街です。
南信地域(諏訪、八ヶ岳、木曽、伊那)
南信地域は長野県の南部に位置し、東京や名古屋からのアクセスが良好な点が特徴です。
この地域には、諏訪湖や諏訪大社上社本宮、霧ヶ峰高原、高島城、上諏訪温泉など多くの観光地がある諏訪市があります。
また南信地域には八ヶ岳があり、その山麓には、茅野市、富士見町、原村があります。
これらの地域は都心からのアクセスが良好で、爽やかな気候の中、八ヶ岳の雄大な自然を楽しみながら暮らせるでしょう。
さらに、南信地域には子育て世代や移住希望者に注目されている伊那市があります。
伊那市は「住みたい田舎ベストランキング」で、子育て世代部門で全国1位を獲得した実績(2015年・2016年)を持ち、総合部門でも全国第4位(2023年)に選ばれています(「田舎暮らしの本」宝島社)。
子育て支援や生活支援が充実しているほか、電気・精密・機械分野の高度な加工技術産業や、食品などの健康関連産業が発展しています。
長野県移住のメリットデメリット
長野県への移住は、豊かな自然や穏やかな暮らしを求める人々にとって魅力的な選択肢です。
一方で、地方ならではの課題や生活環境の違いに直面することもあります。
移住を成功させるためには、メリットとデメリットを理解しておくことが大切です。
長野県移住のメリット
長野県に移住する第一のメリットは、豊かな自然環境の中で四季折々の美しい風景を楽しみながら暮らせることです。
温泉地や清流なども点在しており、自然とともに過ごす生活が実現できます。
また、登山やキャンプ、ウィンタースポーツなどのアウトドア活動も手軽に楽しめるでしょう。
さらに長野県は、首都圏と比較すると広い土地や住宅を低コストで手に入れやすいという特徴があります。
実際の長野県の持ち家率は71.2%であり、全国平均の61.2%を上回っています。
首都圏では手が届かなかったマイホームの夢も、長野県なら叶えられるかもしれません。
加えて、長野県は新鮮な農産物が豊富に手に入る地域でもあります。
特に野菜の摂取量が全国トップクラスで、健康的な食文化が根付いています。長野県は食にこだわりたい人にも適した土地と言えるでしょう。
長野県移住のデメリット
長野県は冬の寒さが厳しく、特に北信地域の豪雪地帯では毎日のように雪かきが必要になります。反対に東信地域、南信地域は降雪量は少ない
また、寒さ対策として寒冷地仕様の住宅設備が求められたり、暖房による光熱費が増加したりする可能性が高いでしょう。
さらに、長野県では公共交通機関が発達していないエリアが多く、ほとんどの地域でマイカーが必須です。
日常的に車の運転をする必要があり、その分ガソリン代がかかるほか、自家用車を所有していない人には移住のハードルが高く感じられるかもしれません。
特に冬場は雪道の運転が求められるため、運転に不慣れな人や苦手な人にとっては注意が必要です。
加えて、都市部と比べるとショッピング施設や娯楽施設の数が限られている点もデメリットとして挙げられます。
娯楽施設で遊びたい場合には、都市部まで車や新幹線で移動しなければならないこともあるでしょう。
長野県移住の補助金や支援制度はある?
長野県では、各自治体が移住希望者に向けた支援を積極的に行っています。
今回は、特に人気のある移住地域の支援制度について紹介します。
北信地域:長野市
1. 長野市就業・創業移住支援金
東京圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)、愛知県、大阪府から長野市に移住して就業した方、または長野県の創業支援金の交付決定を受けて移住した方を対象に、国、長野県、長野市が共同で以下の金額を交付します。
- 単身:60万円
- 2人以上の世帯:100万円
(18歳未満の世帯員がいる場合、1人につき100万円を加算)
2. 長野市若者・子育て世帯等移住促進家賃支援事業補助金
長野市に定住する意思を持つ若者、子育て世帯、またはテレワーカーを対象に、住宅確保のため月額2万円を上限に、最大2年間支給します。
3. 長野市移住者空き家改修等補助金
長野市の空き家バンクで物件を購入または賃貸し、その物件をリフォームしたり家財道具を処分した際に補助金を利用できます。
中信地域:松本市
1. 松本市UIJターン就業・創業移住支援事業補助金
東京圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)、愛知県、大阪府から長野市に移住して就業した方、または長野県の創業支援金の交付決定を受けて移住した方を対象に、国、長野県、松本市が共同で以下の金額を交付します。
- 単身:60万円
- 2人以上の世帯:100万円
(18歳未満の世帯員がいる場合、1人につき100万円を加算)
中信地域:白馬村
1. 克雪住宅普及促進事業補助金
雪害に備えた住宅の整備(新築、増改築、改修工事)を行った際、その費用の一部を助成する制度です。
2. 電気自動車等購入促進事業補助金制度
電気自動車を購入またはリース契約する住民を対象とした補助金制度です。
- 購入の場合:車両本体価格(税抜)の10%以内で、上限30万円。
- リース契約の場合:リース料(税抜)の7%以内で、上限30万円。
3. 太陽光発電システム普及促進事業補助金
住宅などに太陽光発電システムを設置した方を対象に、1キロワット当たり3万円、最大12万円まで補助する制度です。
東信地域:佐久市
1. 佐久市移住検討者滞在費補助金
実際に佐久市へ足を運んで移住の検討を進める際に発生した、交通費や宿泊費等の一部を補助します。
2. 佐久市UIJターン就業・創業移住支援事業補助金
東京圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)、愛知県、大阪府から長野市に移住して就業した方、または長野県の創業支援金の交付決定を受けて移住した方を対象に、国、長野県、佐久市が共同で以下の金額を交付します。
- 単身:60万円
- 2人以上の世帯:100万円
(18歳未満の世帯員がいる場合、1人につき100万円を加算)
南信地域:伊那市
1. いな住まいる補助金
伊那市で住宅を新築または取得した場合に受けられる補助制度です。最大で150万円の補助を受けられます。
2. 移住・定住準備住宅
伊那市への移住や定住をお考えの方に、市営住宅を「移住・定住準備住宅」として提供しています。
- 入居期間: 原則12か月間
- 家賃:入居開始から6か月間は通常家賃の半額
7か月目以降から12か月間は通常家賃
1. いな住まいる補助金
伊那市で住宅を新築または取得した場合に受けられる補助制度です。最大で150万円の補助を受けられます。
2. 移住・定住準備住宅
伊那市への移住や定住をお考えの方に、市営住宅を「移住・定住準備住宅」として提供しています。
- 入居期間: 原則12か月間
- 家賃:入居開始から6か月間は通常家賃の半額
7か月目以降から12か月間は通常家賃
長野県で働きたい!地域別の企業
長野県には、自然豊かな環境の中で地域経済を支える多種多様な企業が数多く存在します。
ここでは、地域別に注目の企業を紹介します。
なお、最近では転職せずにワーケーションやテレワークを前提に引っ越す人も増えています。
長野県への移住をきっかけに自分の働き方を見つめ直してみましょう。
北信地域(長野市、野沢温泉、戸隠)
八十二銀行(長野市)
八十二銀行は、長野県を拠点とする地方銀行です。最近では長野銀行と合併したことでも話題。地域経済の発展に貢献し、地元の人々や企業に幅広い金融サービスを提供しています。
新光電気工業株式会社(長野市)
新光電気工業は、半導体パッケージの製造を行っている企業です。製品はコンピューター・ネットワーク機器、モバイル機器、自動車などに幅広く使用されています。
ホクト株式会社(長野市)
ホクトは、国内最大手のきのこ総合企業です。スーパーやCMで名前を見聞きしたことがある人も多いでしょう。ホクトは、きのこの開発から販売までを一貫して行い、品質の高い製品を提供しています。
中信地域(松本、安曇野、白馬、上高地)
キッセイ薬品工業株式会社(松本市)
キッセイ薬品は、医薬品の研究・開発・製造・販売を手掛ける企業です。特に研究開発に力を入れており、研究職を含む多様な職種で活躍の場を提供しています。
アルピコホールディングス株式会社(松本市)
アルピコホールディングスは、交通、観光、レジャー、ドラッグストアなど、幅広い事業を展開する企業です。長野県内に住む人々だけでなく、長野県を訪れる観光客にも多様なサービスを提供しています。
東信地域(佐久、小諸、軽井沢)
日置電機株式会社(上田市)
日置電機は、電気計測器の開発・生産・販売・サービスを手掛ける企業です。同社の製品は、エネルギーやパワーエレクトロニクス分野など、幅広い分野で活躍しています。
ミネベアミツミ株式会社(御代田町)
ミネベアミツミは、総合精密部品メーカーです。スマートフォンから宇宙ロケットまで、幅広い分野で利用されています。ミネベアミツミの製品は海外でも活躍しており、多くの製品が世界トップシェアを誇っています。
南信地域(諏訪、八ヶ岳、木曽、伊那)
セイコーエプソン株式会社(諏訪市)
プリンターやパソコンで広く知られるエプソンの本社は、長野県諏訪市にあります。同社はプリンターだけでなく、腕時計、産業用機器、水晶・半導体製品など、多岐にわたる製品を手がけており、世界中でその技術力が評価されています。
伊那食品工業株式会社(伊那市)
伊那食品工業株式会社は、寒天や天然ゲル化剤の製造・販売を行う企業です。その製品は食品分野だけでなく、文房具、化粧品、医薬品など、幅広い用途で活用されています。
移住に苦労はある?口コミを調査
長野県への移住を考える人々の中には、首都圏から移住してくる方も多くいます。そのため、「人の少なさ」をメリットに挙げる声が目立ちます。
例えば、満員電車に乗る必要がなくなることや、娯楽施設が混雑していない点が大きな魅力として挙げられています。
また、長野ならではの雄大な自然の景色も、多くの移住者が心惹かれるポイントです。
これらの特徴は、都市部での暮らしとは異なる、ゆったりとしたライフスタイルを求める人に支持されています。
長野県への移住には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも挙げられています。
まず、冬の寒さが厳しい点や、娯楽施設が少ないことが移住者にとっての課題とされています。
また、車社会であることもデメリットの一つです。
長野県はガソリン代が高いため、車の維持費に加え、燃料費が家計を圧迫する場合があります。
さらに、地域によっては一人一台の車が必要なこともあり、移動手段の確保が生活の必須条件となります。
まとめ|長野県のポイントを押さえて移住を実現!
長野県への移住は、美しい自然環境や低コストな住居、健康的な食文化など多くの魅力を持つ一方で、厳しい寒さや車必須の生活環境といった課題もあります。
特に、移住希望者にとっては地域ごとの気候差や交通事情、自治体の支援制度を十分に理解することが重要です。また、移住先の選定には、ライフスタイルや仕事環境に合ったエリアを見極めることが求められます。
補助金制度や支援策を活用しながら、理想の移住生活を実現しましょう。